みなさん、こんにちは。つるぴか和尚です。
今回は前回に引き続き『若い読者に贈る美しい生物学講義』から、面白いと思った箇所を記していきます。
ヒトの大きな特徴について
そもそもこの本読むまで、ヒトとか類人猿とかサルとか聞いたことあるけど区別がよくわかってなかったです。
まず、サル(monkey)の仲間に類人猿(ape)がいます。類人猿には尾がないので尾のないサル=類人猿です。
類人猿って尻尾ないんやと驚きました!そういえば、ゴリラとかオランウータンとか言われてみればない。。
そして、類人猿の大型グループの中に、チンパンジーとボノボ、ゴリラ、オランウータン、ヒトがいます。
動物園とかでチンパンジーやオランウータン、ゴリラなどは見たことあるのですが、ボノボだけないですね。
ボノボが無性に見たくなってます!
類人猿の中でヒトがどのように違うのか
ヒトが他の類人猿と違う特徴を得た進化の中で、最初に進化した特徴は「直立二足歩行」と「牙を失ったこと」とのことです。
直立二足歩行はただ二本の足で歩くを基本としているのではなく、「直立」なので、止まった時に頭が足の真上に来るのが直立二足歩行です。だから、かがんだ状態で常におる動物は直立二足歩行じゃないってことを初めて知りました!
直立二足歩行には最大の欠点があって走るのが遅いことです。四足歩行のほうが速く走れるんです。知らんかった。
人間って走るの遅い動物なんやなと改めて知りました。走って勝てそうな四足歩行動物を思いつかない。。。
なぜヒトは危険回避能力と攻撃力を失う進化を遂げていったのか
危機回避能力や攻撃力って非常に重要な能力ですよね。でも、なんでそれらを失う直立二足歩行や牙がなくなるという特徴が進化していったのか。
進化する、それらの特徴を持ったヒトが子を産み繋いでいくためには、生き残ることが重要です。つまり、直立二足歩行や牙を失うことが「危機回避能力」や「攻撃力」よりも、生存率をあげる上で更なるメリットがあったということです。
まず「牙を失った」ことについてみていきます。
牙を失って得たメリットは、結論、一夫一妻制です。
類人猿の中でヒトは唯一犬歯が小さい。そして、メスをめぐるオス同士の争いも少ない。
オランウータンと多くのゴリラは一夫多妻制、ゴリラの一部とチンパンジーとボノボは多夫多妻的な群れを作る。これらの社会ではメスをめぐるオス同士の争いが頻繁に起こり、犬歯を使って戦います。
つまり、人類は一夫一妻制な社会を作るようになったので、オス同士の争いが減り、犬歯が小さくなったと考えられます。
一夫一妻制になり特定の相手がいるので争いが減り、犬歯が大きい個体が生き残るメリットが薄くなり、犬歯がだんだん小さくなったということです。類人猿の中で、一夫一妻制を作るようになったのがヒトに進化していったということかもしれません。
次に、「危機回避能力」の喪失、つまり直立二足歩行を手に入れたことについてみていきます
直立二足歩行のメリットは「空いた両手」です。直立二足歩行のオスは四足歩行のオスよりも空いた両手を使い食べ物を持って帰ることができます。
一夫多妻制はメスに子育てを任せます。多夫多妻制は食べ物を持って帰っても自分の子供かも知れないし他人の子どもかもわかりません。その分多く持って帰ろうした場合、余分に探し回る必要があるのでより危険です。一夫一妻制だとオスが食べ物を運んで帰ってくる場所にはほぼ自分の子がいます。
つまり、一夫一妻制が成立すれば、直立二足歩行によって食べ物を運んで生存率を高くしてあげた子は、たいてい自分の子であり、直立二足歩行が遺伝します。だから、その個体は増えていきます。
まとめると、一夫一妻制の社会が成立すれば、仲間同士の争いが減り、直立二足歩行によって生存率があがり、犬歯が必要なくなった直立二足歩行にの個体が増えていったということです。
相手を倒す犬歯を持っていることや走るのが速いことなど、どんなに素晴らしい特徴を持っていても、子供の数を増やさない特徴は自然選択で進化していきません。チーターにおいて走るのが速いことは有利な特徴だが、これが直接的な進化の理由ではなく、速いことによって残せる子供が増えたので、走るのが速いという特徴が進化していき、どんどん足が速い個体が選抜されていきました。
つまり、子供の数を増やす特徴だけが自然選択で進化していきます。