みなさん、こんにちは!つるぴか和尚です。
本日は、『若い読者に贈る美しい生物講義』を読んだので、その感想を書いていきたいと思います。
まず、生物とは何かという話からはじまります。僕も改めて生物の定義というものを考え勉強になりました
生物の定義
①外界と膜で仕切られている
②代謝(物質やエネルギーの流れ)を行う
③自分の複製を作る
以上の3つが生物の定義です。簡潔でまとめられていて美しいですね。
確かに、どの生物も膜があるし、膜があることによって内部の反応濃度を高めたりすることができるという話がとても納得しました。
本書では、膜の重要性や自動車が生物でない理由を定義から考えたりしていてとても面白く定義を学べます。
さて、次に僕が面白いなと思ったのが、動物には前と後ろがあるがどうやって見極めるか、というテーマです。
僕ら人間はもちろん、ほかの動物を見ても何も考えずに前や後ろがわかりますよね。それは何をみてそう判断するのか。
目がある方が前?鼻?胸?足先?
僕はそう言われて、パッと答えが出てこなかったです。。。
答えは、受精卵が細胞分裂する時にありました。
詳しくは、わかりやすい絵が載っているので、この本を読んでみてほしいのですが、
細胞分裂の際に受精卵(単細胞)が胚(多細胞)に変わり、そのあとに胚の真ん中に1本の空洞(管)ができます。消化管です。
動物は光合成ができないので、食べた食物をこの消化管に入れてエネルギーを吸収しなくてはならない。じっとしていも消化管に入らないので、動かないといけない。その時に消化管に食べ物が入る穴を「口」、出ていく穴を「肛門」と呼んでいます。こんな初期に消化管ができるんやなと驚きです。
つまり、
「動物が動くのは食べ物を入れるため」→「消化管の中に食べ物を入れるため」→「進む方向に口がある」→「進む方を前という」
以上の理由から、口がある方が前になります。前後がわかる理由は眼でも鼻でもないということですね。面白い!
だから、エビやカニのように、口がついている向きと逆方向に進んでいるので、後ろ向きに進んでいるということになるんですね。
改めて、「動物はどっちが前?」という簡単な質問に理解を深めることができて面白かったです。
また本書では、仮説には良い仮説と悪い仮説があると書いていました。
科学とは新しい情報を手に入れることで、必ず推測を使う。そして推測によって仮説を立てる。観察や実験によって検証して結果を得るという流れです。
ここで良い仮説とは、たくさんの観察や実験によって支持されている仮説です。逆に悪い仮説は、多くの観察や実験によって反証された仮説です。完全に100%正しいとはいえないけれど、しかしほぼ100%正しそうな仮説は、非常に良い仮説という意味で「理論」や「法則」と呼ばれます。
この部分を読んで僕は、ある先生がダーウィンの進化論について誰もそれが絶対に正しいと言える者はいない、実際に見ていないのだから、と言っていたのを思い出しました。確かにその通りで、多くの信じられている法則や理論はあくまでも仮説だということなんですね。もしかしたら、僕らの考えが及ばない力が作用した可能性も無くはない。
こういうところからも、良い仮説を立てられることが非常に大事な能力なんやなと感じました。
研究だけでなくビジネスの場でも仮説を生み出すことが自分の考えを主張するということに繋がる、目の前の仕事に自主性を持つに繋がっていくので重要やなと思いました。